2024年より新NISAが始まり、どこの証券口座にしようか悩んでいる方も多いと思います。新NISAの口座は1人1口座しか持てないため、少しでも自分にとって有利な証券口座を選びたいですよね。
この記事では、多くの方に支持されている「SBI証券」と「楽天証券」をポイント獲得数の比較の視点から解説しています。
新NISAで少しでも多くのポイントの恩恵を受けたいと思う方は必見です!
最初に ー手数料の比較ー
最初にSBI証券と楽天証券の新NISAにおける売買手数料ですが、両証券とも国内株・外国株・投資信託の売買手数料は無料です。
ただし楽天証券では、日本株を1株から買える「単元未満株」のリアルタイムでの取引にはスプレッド0.22%かかるため注意です。2023年12月より、リアルタイムではなく寄付の取引であれば無料になったようです。ちなみに1株からリアルタイムの取引ができるのは楽天証券のみです!
単元未満株をリアルタイムで取引しないのであれば、SBI証券と楽天証券の手数料の観点では大差ないでしょう。
次に「SBI証券」と「楽天証券」をポイント獲得の観点で比較していきます。新NISAで獲得できるポイントの種類として2つあります。1つはクレジットカード決済で積立することにより還元されるポイントです。もう1つは投資信託の保有により獲得できるポイントです。それぞれ詳しく解説していきます。
「クレカ積立」によるポイント獲得の比較
新NISAでは投資信託の積立をクレジットカードで決済することが可能です。この「クレカ積立」は、積立金額によってクレカのポイントが貯まるので、非常にお得なサービスです。現在ほとんどの証券会社が「クレカ積立」の決済上限額を5万円までとしています。
SBIの「クレカ積立」は「0.5~最大5%」還元
SBI証券では、三井住友カードを使った「クレカ積立」がポイント還元率がよくおすすめです。ポイント還元率はカードの種類によって「0.5~最大5%」です。貯まるポイントは「Vポイント」です。
通常還元率 | つみたて投資 ポイントアッププラン | ポイント還元率 合計 | |
三井住友カード プラチナプリファード・ Oliveフレキシブルペイ プラチナプリファード | 0.5% | 4.5% | 5% |
三井住友カードプラチナ | 0.5% | 1.5% | 2.0% |
三井住友カード ゴールド・ 三井住友カード ゴールド(NL)・ Oliveフレキシブルペイ ゴールド | 0.5% | 0.5% | 1.0% |
上記以外の三井住友カード :三井住友カード(NL)など年会費無料カード | 0.5% | - | 0.5% |
中でもどのカードがおすすめなの?
おすすめは年会費無料の『三井住友カード(NL)』でポイント還元率は0.5%です。例えば毎月5万円をつみたてNISAで運用すると年間の獲得ポイントは「5万円×0.5%×12カ月=3,000ポイント」貯めることができます。年会費無料でクレジットカード決済するだけでこれだけのポイントを貰えるのは魅力的です!
また三井住友カードでは『つみたて投資ポイントアッププラン』があり、対象カードは年会費の必要なカードにはなりますが、最大5%のポイントが還元されます。※上記表を参照 三井住友カード プラチナプリファードは年会費33,000円(税込)かかってしまいますが、積み立て投資の還元率は5%と大きく、毎月5万円運用すると年間30,000ポイント獲得できます。クレカ積立以外の場面でもポイントが貯まりやすいカードですので、年会費相当以上のポイントを貯めることができる方にはお得と言えるでしょう。
ちなみに『三井住友カードゴールド(NL)』は、通常の年会費は5,500円(税込)かかりますが、年間100万円利用すると翌年以降はずっと年会費無料になります。つみたて投資のポイント還元率は1%と『三井住友カード(NL)』の倍になるため、年間100万円利用予定の方は『三井住友カードゴールド(NL)』はおすすめのカードです!
楽天の「クレカ積立」は「0.5~最大1.0%」還元
一方、楽天証券での「クレカ積立」のポイント還元率は「0.5%~最大1%」とSBI証券の三井住友カード決済と比べると還元率はやや劣ります。またポイント還元の仕組みがやや複雑で、購入するファンド(投資信託)やカードの種類によって異なります。貯まるポイントは「楽天ポイント」です。
代行手数料が年率0.4%以上のファンド | 代行手数料が年率0.4%未満のファンド | ||
楽天プレミアムカード | 1.0% | 1.0% | |
楽天ゴールドカード | 〃 | 0.75% | |
楽天カード | 〃 | 0.5% |
代行手数料は基本的にはアクティブファンドに投資するなら1.0%、低コストのインデックスファンドに投資するならカードの種類によって0.5~1.0%の楽天ポイントが貯まります。
ただ楽天証券ではこれだけでなく、楽天カードを
使ったキャッシュレス決済でも積立ができます!
「クレカ積立」のポイント還元率はSBI証券よりやや劣りますが、楽天ではクレカ積立とは別に楽天カードでチャージした「楽天キャッシュでの投資信託の積立」が月5万円まで可能です。クレカ決済分と合わせて月10万円までクレカ利用をした決済で積立ができるという訳です。
SBI証券では現時点でクレカ決済は上限5万円までとなっているため、キャッシュレスの恩恵を最大限に受けたい方は楽天証券での積立は大きなメリットになるでしょう。新NISAの「つみたて投資枠」の年間上限は120万円なので、楽天証券であればこの枠を全てクレカで決済しポイント還元を受けることができます!
ただ現在、金融庁などで「クレカ積立」の上限額を「つみたて投資枠」の上限額=10万円/月 に合わせることが議論されており、今後SBI証券の「クレカ積立」の上限額も上がる可能性は考えられます。
「投資信託の保有」によるポイント獲得の比較
次に、投資信託の保有額によって獲得できるポイントについて比較していきます。
SBI証券は保有銘柄によって「最大0.25%」のポイントが付与
SBI証券では投資信託の月間の平均保有金額に応じてポイントが毎月付与される投信マイレージサービスを実施しています。貯まるポイントは「Tポイント」「Vポイント」「Pontaポイント」「dポイント」「JALマイル」「PayPayポイント」の中から選ぶことができます。
ポイントは累積保有残高に対し還元されるので、毎月買付をすれば保有残高の増加とともに付与されるポイントも毎月アップしていきます。
月間平均保有金額 | 1,000万円未満 | 1,000万円以上 | |
①通常銘柄 | 0.1% | 0.2% | |
②指定銘柄 ※インデックスファンドが多い | ファンド毎にSBIが定めた付与率 (概ね0.0175~0.1%) | ファンド毎にSBIが定めた付与率 (概ね0.0175~0.1%) | |
③SBIプレミアムチョイス銘柄 ※アクティブファンドが多い | 0.15% | 0.25% |
人気銘柄の「eMAXISシリーズ」の場合は「0.05%」が貯まります。例えば月間平均保有金額が100万円の場合、「100万円×0.05%=500ポイント」毎月付与されるイメージです。毎月投資信託を買付している場合、月間の保有金額は増えていくため付与されるポイントも増えていきます。
各ファンドによるポイント還元率の詳細は、SBI証券の公式サイト「投信マイレージサービスポイント付与率(年率)一覧」を参照にして下さい。
楽天証券は対象の6銘柄のみポイント還元 「還元率0.017%~0.053%」
いっぽう楽天証券では、各月の投資信託の保有残高に応じて楽天ポイントが還元される「投信残高ポイントプログラム」というサービスがあります。対象となるファンドは下記の6種類のみになっており、SBI証券と比べるとかなり限られています。
対象銘柄 | ポイント還元率(年率) |
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 0.017% |
楽天・S&B500インデックス・ファンド | 0.028% |
楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド | 0.033% |
楽天・日経225インデックス・ファンド | 0.053% |
楽天・NASDAQ-100 インデックス・ファンド | 0.05% |
楽天・SOX インデックス・ファンド | 0.05% |
どれも人気銘柄ではありますが、楽天独自のファンドが対象になっているため、「eMAXISシリーズ」に投資したい方は楽天証券では対象外となってしまいます。
ポイント還元率はSBI証券と大きく変わりないため、選べるファンドの種類の点でSBI証券の方が優位と言えるでしょう。
また、楽天証券では「資産形成ハッピープログラム」というサービスがあります。これは投資信託の保有で基準残高を達成するとポイントが付与されるというものです。
基準残高 | 進呈ポイント |
---|---|
月末時点の残高が、はじめて10万円に到達した場合 | 10ポイント |
月末時点の残高が、はじめて30万円に到達した場合 | 30ポイント |
月末時点の残高が、はじめて50万円に到達した場合 | 50ポイント |
月末時点の残高が、はじめて100万円に到達した場合 | 100ポイント |
月末時点の残高が、はじめて200万円に到達した場合 | 100ポイント |
月末時点の残高が、はじめて300万円に到達した場合 | 100ポイント |
月末時点の残高が、はじめて400万円に到達した場合 | 100ポイント |
月末時点の残高が、はじめて500万円に到達した場合 | 100ポイント |
月末時点の残高が、はじめて1,000万円に到達した場合 | 500ポイント |
月末時点の残高が、はじめて1,500万円に到達した場合 | 500ポイント |
月末時点の残高が、はじめて2,000万円に到達した場合 | 500ポイント |
上の表のようにたまるポイント数はそれほど多くないため、投資信託の保有によるポイント獲得数という点ではSBI証券が優位だと考えられます。
まとめ ー 結局どっちがいいの? ー
これまでの比較から、SBI証券と楽天証券のどちらが使いやすいかは「どのような取引をしたいか」「それくらいの金額を投資したいか」「貯めているポイントは何か」など個人によって異なります。
下記にポイント還元の視点から、それぞれの証券会社に向いている人についてまとめているので参考になればと思います。
SBI証券の「新NISA口座」が向いている人
- 還元されるポイントを自分で決めたい人(楽天ポイント以外):Tポイント、Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALポイント
- 多くの銘柄の中から選びたい人
- 「三井住友カード ゴールド(NL)」で年会費無料になる条件を達成できる人 / プラチナカード等の年会費有料カード利用者
- 投資信託の保有でより多くのポイントを獲得したい人
楽天証券の「新NISA口座」が向いている人
- 楽天経済圏を利用している人
- 楽天ポイントを普段から貯めていて利用する機会の多い人
- 楽天ポイントを利用して投資したい人(投資信託のほか日本株や米国株等も可)
- 新NISAの「つみたて投資枠」を全額キャッシュレスで積み立てたい人(月10万円)
今回はポイント還元の視点から比較しましたが、今後も両社のサービスは変更する可能性はあります。ポイント還元の視点だけを重視するのでなく、各社の取り入れているサービスやツールの使いやすさ(公式サイトやアプリ等)を比較することも大切になってきます。各証券会社の動向に引き続き注目していきましょう!